【報告】1月30日講演会、終了!
1月30日、第一回みなと区パパ友の会講演会を開催しました。
講師は、地域づくりコーディネーターで、静岡県は裾野市、東地区おやじの会の小田圭介さん。「地域作りの土台づくりという視点」というタイトルでお話しいただきました。
小田さんは、いま全国的にも広がりを見せつつある「何にもしない合宿」の発案者であり実行委員長です。
お話をうかがう前は、地域づくりの話を聞くのだろうな、と漠然と想像していました。
しかし、小田さんの言う「地域づくりの土台作り」とは、つまるところは人と人の関係づくり。人、人、人。すべての話が具体的で、名前のある人物ひとり一人のエピソードで満ちていました。だから説得力がすごい。
「何にもしない合宿」は、土曜日の夜に小学校の体育館に子どもが集まり、一緒に遊んで一緒に寝て、ただただ時間と空間を共有する極めてシンプルな合宿です。ご飯もお風呂も家で済ませているから、準備は何にもいらない。「何にもしない」とは大人が何にもしなくていい、という意味なのでした。
毎回、小学生中心に中高大学生や大人も入れて100~140人が参加し、2012年から毎月実施し、今では開催回数はなんと60回以上!
合宿の目的は、地域における大人と子どもの日常の関係を構築すること。「大人A」+「子どもA」の関係から、「〇〇さん」+「〇〇くん」の関係へ、そういう人間関係を育む場として機能しています。
本当にどれも素晴らしい話ですべてを伝えたいのですが、それはまた定例飲み会のときにということで・・・(宣伝、2月16日(土)に第3回定例飲み会やります)
小田さんの話で印象に残ったポイントを以下に紹介します!
■ 港区という人口の流出入が激しい地域でも、裾野市で実現しているような「大人と子どもの日常の関係」を築くことは可能。人と人の関係づくりに地域性は関係ない。何にもしない合宿は、あくまでも人と人が関わる場。どこでもできる。
■ 合宿は、参加する子ども達がそれぞれ自己有用感、自己肯定感を感じられる「地域のたまり場」。学校に行けない子も参加してくれている。
■ 合宿に参加する大人や子どもに共通すること。それは、それぞれ役割や負担はあったとしても、負担「感」はゼロ。
■ 言い出しっぺ実行委員長制の導入。やりたいと言い出した人(子ども)が責任をもってやりきる。失敗してもいい。
■ タテ(親、教師と子)の関係でも、ヨコ(友達同士)の関係でもなく、ナナメの関係を地域に根付かせたい。いわば、親戚のおじさん的なポジション。
■ 日本の地域コミュニティにおける人々の関係性は希薄化したんじゃなくて、人々の価値観や生活スタイルが多様化しただけ。多様化の中で、人と人が関わる仕組みをメンテナンスする努力を怠ってきたことが問題。
■ 地域の問題は、他人事から我が事へ。ただし、まずは自分が楽しくないと意味がない。自分が楽しい活動の先に、利他性が付随して生まれてくる。
■ 人とのつながりは「社会的資産」。経済的資産の相続もいいが、社会的資産こそ親は子どもたちに相続してあげてほしい。それこそが子どもが生きる力につながる。
そして個人的なハイライトは・・・帰りの電車で、「今年2人、『何にしもない合宿』に参加してくれていた子2人が、都会の大学を卒業した後に、裾野で暮らしたいといって帰ってきたんですよ」と話してくれたときの、小田さんの嬉しそうな顔を見た瞬間。小田さん、100万ドルのスマイル、ご馳走様でした。
忙しい合間を縫って、ボランティアで駆けつけてくださった小田さん、本当にどうもありがとうございました!
また、場所を提供して下さった妙善寺の的場住職にも、この場を借りて、改めて御礼申し上げます。妙善寺さんは地域に開かれた最高に居心地の良いお寺です。またよろしくお願いしますm(__)m
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